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「山猫姫10」と「宇宙軍士官学校」が出ます。

四月にブログを書いて以来、丸二ヶ月ぶりの日記である。
この二ヶ月間何をしていたかというと。ただひたすら小説を書いていた。
電撃文庫の「ご主人様は山猫姫・10」と早川書房の「宇宙軍士官学校【前哨】」の二冊である。
 当初の予定では宇宙軍士官学校のほうが先に書き終わっていなければならなかったのだがこれが遅れに遅れた。
 「銀河乞食軍団黎明編」からこっち、早川書房の皆様にはご迷惑を描けどおしである。

「宇宙軍士官学校」は7月末に、「山猫姫10」は8月10日に書店に並ぶ予定である。
また、詳しいことがわかり次第こちらでお知らせするつもりである。

 それにしても、「士官学校」を書き始めたのが一月なので、約半年掛かったことになる。
 なぜ遅れるのかというと、これは描き始めるまえの「見積もり」のミスである。 プロットを書いて「これで一巻分」と思って書き出すと、全く追いつかない。
 書き始めると、とにかく情報量が多すぎるために、情報の交通整理をしなければならなくなるのである。
 
 この情報量というのは、読み取れる人にとっては有意義だが、読み取れない人には、全く意味が無い。
 誰でもわかる、わかりやすいことを優先させるには、この情報量を削ればいいわけである。 しかし、なんでも削ってしまえば、物語は成立しなくなる。
 キャラクター情報だけを残し、それ以外の部分を削って、わかりやすく読みやすくしたものが求められるし、好まれるのは当然である。

 ただし、そういう物語は、キャラクターを追うだけのものになりやすい。カメラはキャラクターだけを追いかけ、キャラの前に次々に謎を置いていくことで、物語にテンションを与えるというトランプ型の手法を取ることになる。
 
 作者は、物語に関する手札をすべて伏せており、キャラクターの行動に従って札を開いていくのである。
 これは読者をひきつけるには最良の手である。問題はネタバレに弱いところだろう。
 誰か先に読んだ読者が、作者が伏せた手札を言ってしまえば、もう、その手札の効果は無くなるわけである。
 少ない情報量で読者を楽しませるには、こういった手札を伏せるトランプ型の物語が適している。

 一方私のように、すべての情報を隠すことなく読者の前に提示する物語、いわゆる将棋型の物語を書くには、いかに読者に情報を提示するか。という部分が問題になる。
 敵の行動も、行動の理由も、それに対する主人公側の行動の理由も、すべて事前に読者に提示しなければならないのだ。
 
 そうやって、すべての情報を提示した上で、さあこれから、この小説の中で、どんな戦いが行われるのか。という部分に読者の興味をひきつける訳である。

 これはキャラクター情報だけでは支えきれない。キャラクターを取り巻くすべての駒の動かし方とルール、いわば物語という将棋盤の上にあるキャラクターすべての情報を読者に提示して、読者に理解してもらわねば、将棋の対局の面白さはわからない。

 ライトノベルは基本的に手札を伏せたトランプ型の物語がメインである。
 だからネタバレに弱くなる。

 そして、こういう物語に慣れた読者、と言うか、こういう物語しか知らない読者が、すべてが盤上に明らかになっている将棋型の物語を読むとこういうのである「予定調和で面白くない」と【笑

 将棋のルールも駒の動かし方も知らない人間が、将棋の対戦を傍で見ていれば、きっと同じことを言うだろう。同じような駒が同じように動いて、取って取られて、「参りました」となるわけで、そこに存在する駆け引きとか、腹の探りあいとか、先の読み合いとかを読み取れねば、それは予定調和なダンスをやっているようにしか見えないだろう。

念のために言っておくが、これは、物語の構造が違うだけで、どちらが上だとか下だとか言っているわけではない。
 
 読みやすく、わかりやすく、キャラクターの魅力で読者をひきつけ、キャラと共に物語の世界に入っていく方法を取るとしたら、トランプ型が適しており。
 
 世界全体を俯瞰的に見て、個々のキャラよりも全体の局面の流れをみることに興味がある人向けに書くとなれば、将棋型が適している。というだけのことなのだ。

 私は、どちらかというと、後者の物語が好きなので、私が面白いと思っている後者の進め方で物語を書いているわけである。

 こういう物語の書き方をするとなると、物語を俯瞰した見方になるのは仕方が無い。
 いわゆるキャラ萌えの方から見ると、実に冷たく突き放しているように見えるようだが、その辺は仕方が無い。

 私は、読者に面白いと思ってもらえる物語を書くのが仕事だと思っている。
 面白い物語を書くことで私の仕事は終わりである。
 別に読者に面白いと思ってもらえる作者になるつもりはない。

 作者と読者は仲間であると思い込みたがっている方が、良く私のあとがきに文句をつけているが。私はどうにもそういう人々の言っている意味がわからないのである。【笑

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